水漏れした時に水を止めるための止水栓(バルブ)がどこにあるか分からない。水が止まらない。
そんなときに止水栓(バルブ)の場所や止まらないときに「現役の水道屋」が使う止める方法を記事にしました。
止水栓とは人が水を出したり止めたりできる装置のことなので蛇口も止水栓の一つと言えます。トイレ・洗面所・流し台の水栓の下にも止水栓が付いています。
トイレや洗面所の下の止水栓は修理の時に家全体の水を止めなくてもいいように設置されています。また水圧の強い時には止水栓の開く具合を調整することにより水圧を弱めることができます。
水漏れがないかメーターを見て確認して分かるようになる動画があるので参考にしてください。
私は25年間水道屋として働いているプロの水道屋でゴウセツと申します。
止水栓ですが10年以上長く使っていると故障することがあります。止水栓が回らなくなったり、止水栓を回したのに止まらなかったりします。
止水栓が壊れている時の対処法です。
- 止水栓の回す所が壊れているときは工具で回しましょう。
- 固くて回らない時はカナヅチ等で軽く叩きながら回しましょう。
- ドライヤーや温かいお湯をかけて、温めてから回しましょう。
- 水漏れしているときに止水栓が止まらないときは外の蛇口で水を出して(外に蛇口がないときは漏れていない水栓の水を出しっぱなしにして)漏れている箇所をテープでぐるぐる巻きにするかビニール袋で抑えてヒモでぐるぐる巻きにしてください。
止水栓は基本的に道路に面している宅地内にある
水漏れや水道器具の入れ替え等で家全体の水道を止めたいときに止水栓の位置が分からないことがあります。緊急時に備えて普段から水道メーターと止水栓の位置を把握しておきましょう。
止水栓のある所
家全体の水道を止めることができる止水栓(元栓)はメーターの手前側につけることが義務付けられています。
一般家屋には基本的に水道メーターが1軒に一つ設置されています。(井戸水で生活用水をまかなっていて下水道ではない場合は水道メーターはありません)
水道メーターの手前側に家全体の水道を止めるための止水栓(元栓)があります。(井戸水を使っているご家庭は井戸水を汲み上げるポンプがあるはずなのでポンプの近くの止水栓を閉じるかポンプの電源を抜くと水が止まります)
公道に面しているところから宅内に水道管が配管されるので道路面に近いところを探していけば見つかります。(築40年以上の古い家では道路から離れたところにある場合も)
水道料金の徴収のために2ヶ月に1回はメーターの確認に来ているのでどうしても分からない時は水道局に問い合わせてください。
宅内に下記のような丸いフタがある場合は、中に止水栓が入っていることが多いです。メーターの止水栓で止まらない場合はこちらの止水栓を止めてみてください。
この止水栓から複数の家に水道が繋がっていることがあるので、この止水栓を止めた場合は近所の水道が止まっていないか確認してください。
止水栓が故障する理由と対処法
止水栓は壊れる場合があります。使用年数が10年をこえると水が止まらなかったり止めた後に水を出せないことがあります。
止水栓の故障の種類と対処法
止水栓で多い故障の種類と対処法を紹介します。
【一番多い故障】回すためのハンドル部分が壊れる
昔の止水栓のハンドル部分は鉄やプラスチックでできていて経年劣化で壊れてしまうことがあります。20年以上使われていると壊れることが多いです。最近のメーター手前の止水栓のハンドル部分は真鍮製になっています。
ハンドルが壊れたときは工具で回すようにして下さい。写真ではモンキースパナといってスパナの幅を調整してくれる工具で回しています。
【2番目に多い故障】止水栓が回らない
止水栓は普段は操作することがなく同じ状態のまま固定されているので、止水栓の回すための部分に汚れが詰まり動かそうとしても動かない場合があります。
無理に力一杯回そうとすると止水栓本体が壊れてしまうので、止水栓を回しながらカナヅチでトントンとドアをノックするくらいの強さで止水栓の本体部分を叩いて振動をかけながら回すと回ることがあります。
止水栓に詰まった異物が振動をかけることで剥がれ落ちたり、振動する揺れでネジがゆるくなるので回しやすくなります。
少し動いてもまた引っかかって動かなくなることがあるので、そのときは反対方向へ回してみてください。
また閉める方向に回して、また戻してを何回も繰り返すと少しづつ汚れが落ちていき止水栓に無理な力をかけずに回すことができます。
それでも回らないときは止水栓を温めて回すという方法があります。
止水栓本体の金属部分に熱を加えると止水栓についた異物との膨張率の違いから少しだけ隙間ができて回しやすくなるので。
ドライヤーを当てるか、50度くらいのお湯をかけてあげると回しやすくなります。(100度に近い熱湯をかけると温度変化が急すぎて止水栓本体が壊れるので50度くらいのお湯にしてください。)
温めたあとは、止水栓本体が熱くなっているので直に触って火傷しないように気をつけてください。ウエスなどの布の上からさわるようにしましょう。
これでも回らないときは水道屋さんに依頼してください。
【3番目に多い故障】止水栓を閉めても水が止まらない
止水栓は回す部分の故障やパッキンに傷が付いて隙間ができて、止水栓が止まらない状態になることがあります。
止まらないからと言って無理に回すと、さらに壊れてしまうので。自分がある程度の力を入れて回して水が止まりきらなかったら完全に止めることをあきらめてください。
水道が止まらない状態のときは、外にある水道を出しっぱなし状態にして。水漏れしているところをテープでぐるぐる巻きにするかビニール袋で抑えて、テープかヒモで巻いて水漏れを止めてください。
この時にテープ等でぐるぐる巻きにしたからと、外の出しっぱなしにしている水道を止めると。強い水圧がかかってテープ等では防ぎきらなくなるので、外の水は出しっぱなしにしておいてください。
【4番目に多い故障】修理が終わり水を出そうと止水栓を開けても水が出ない
水を止めて水漏れの修理が終わり止水栓を開けてみても水が出ないことがあります。
止水栓では仕切り板と呼ばれる板やゴムパッキン等で水を止めるのですが、これらを動かすための部品が壊れてしまい止まったままで水を出せない状態になってしまうことがあります。
メーター前の止水栓がこの状態になった場合は修理がほぼ不可能で、交換工事をすることになります。
止水栓の修理費はいくらくらいかかるのか?
工事する水道屋さんによりますが約6〜15万円の間くらいが相場です。
メーター前の止水栓の交換は道路からの水道管の途中に止水栓が付いている場合を除き。水を止めるために圧着器という道具を使うか水道管の中に置コマと呼ばれる水道管内でゴムを膨らませて水を止める道具を使って、水を止めた後に止水栓を交換します。
そのため手間がかかりますし。止水栓本体も水圧や腐食に強い真鍮製で頑丈にできているので技術料と材料代で工事費が高くなります。
止水栓は水漏れをおこしたときや水道設備の交換に必要な装置なので工事代が高いと思いますが、故障しているならば交換工事することをオススメします。
止水栓の種類と解説
止水栓の構造は何種類もあり止め方に違いがあります。
止水栓の種類
止水栓は構造の違いで何種類かに分かれるのですが代表的な3種類を紹介しようと思います。
板状の金属を差し込むことによって水を止めるゲートバルブ。
ハンドル部分を回すと金属の板が上がり下がりして完全に板が下に降りると水が止まる仕組みになっています。板で水をせき止める感じなのがゲートバルブです。
故障の多いバルブなので現在はメーター前の元栓には使われなくなっています。
コマパッキンで止めるグローブバルブ。
ハンドルを回すとコマパッキン(ケレップ)と呼ばれるパッキンが上下してコマパッキンで蓋をするように水が止まります。
写真では撤去したグローブバルブを撮影していますが、メーターの前につける元栓では故障が多かったため現在使わなくなりました。
球体が中に入っているボールバルブ。
球体に穴が空いた形で90度回転するだけで止めることができるボールバルブが現在よく使われる止水栓です。
球体にはくり抜いたような穴があいていて球体の穴があいている面を向けると水が出て90度回すと穴のあいていない面が水の流れを止めてくれます。
現在使われているのはボールバルブ
ゲートバルブは30年以上前、グローブバルブは20年以上前に使われていたメーター前の止水栓で、現在はボールバルブしか使用しません。
ボールバルブは90度回すだけで開け閉めができて、操作性が良く故障も少ないです。
古いお家でゲートバルブやグローブバルブをお使いでしたらボールバルブへの交換をおすすめします。
止水栓の説明
止水栓とは人間の操作で水を出したり止めたりすることができる装置のことです。家全体の水道を止めるためのメーターの手前にある止水栓(元栓)、流しや洗面の蛇口なども止水栓の一種です。
止水栓はトイレ・流し・洗面台の水栓の根元にも使われていて家全体の水を止めなくても蛇口やトイレの修理、交換ができるようになっています。
また水圧が強く水の出る量が多い場合は止水栓を半開にすることで水量の調整ができます。
メーターの説明
メーターは水道料金や下水道料金を算定するために設置されています。なので公共の水道も下水道も使っていないお宅には設置されていません。(公共の水道を使っていないお宅は井戸水を使っているケースが多いです。)
メーターには8年という有効期限があり、長く使い続けると正確な測定ができなくなるので8年未満で交換する決まりがあります。期限が来ると水道局が交換してくれます。
まとめ
普段から水道メーターと止水栓(元栓)の位置の確認としっかり止まるかを確認しておきましょう。
止水栓の故障で多いのが。
- 止水栓のハンドル部分が壊れる。(工具で回します。)
- 止水栓が回らない。(カナヅチで叩いて振動をかけるか温めてから回します。)
- 止水栓を止めても水が止まらない。(工事する部分以外の水を出して工事してください、その後は止水栓を交換してください。)
- 止水栓を止めて出そうとしても水が出ない。(止水栓を交換してください。)
メーター前の止水栓の交換の費用の相場は約6万円〜15万円です。
家全体を止める止水栓でよく使われているのは、板状の金属を差し込むことで止めるゲートバルブ、コマパッキンで止めるグローブバルブ、球体を90度回すことで止めることができるボールバルブ。
現在ではボールバルブを使用するようになっていて、ゲートバルブやグロースバルブは使用していません。
止水栓とはメーターの手前に付いている元栓だけではなく、蛇口等も止水栓です。止水栓はトイレや洗面所の水道の手前側にもついています。
メーターは一軒に一つ設置されていて、8年に一回交換するようになっています。メーター前の止水栓(元栓)が古くなると故障することがあるので、その場合は早く交換するようにしてください。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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