「水道修理を安く済ませたい。」
「自分の家の修理を自分自身でやってみたい。」
水道修理を業者に頼むのではなく、自分自身で行いたいと考える人は多いと思いますが、やり方が分からなかったり。プロに頼んだ方が良い場合もあります。
判断に迷うところを、水道屋歴24年の私が判別してブログ記事にしました。このブログ記事を読むことで、DIYが好きというレベルの人が、どんな水道修理ができるのかと実際のやり方を解説しています。
このブログ記事を読めば、自分で水道修理をして出費を抑えることができます。
まず初めに自分で修理するために理解しておくべき大事なことが3つあります。
- 自分ができる範囲を理解すること
- 故障している場所がどこで何が問題なのかを理解すること
- 修理をしようと行動して、プロに任せた方が良いと判断したらすぐに連絡して依頼すること
この3つのことを理解してから自分で修理を行なってください。
DIYが好きというレベルで水道修理を行うには、どの範囲が良いのかの簡単な判断基準です。
- 床から上の見える範囲。
- 建築年数かリフォームで20年以内の場所である。
- 極端なサビや汚れが発生していない。
- 排水のつまりであれば工具を使わずに部品を外せる範囲で外してみてつまりが解消しないか試してみる。
自分で修理せずにプロに頼んだ方が良いのは
- 床下や外の配管からの水漏れ。
- 建築年数かリフォームを行なって20年を超えている。
- 極端なサビや汚れが発生している。
- 特殊な工具が必要な場所からの水漏れや排水のつまり。
自分ができる範囲を理解する
水道修理を安く済ませるために、自分で修理しようと思っても。自分でどれくらいの修理ができるのか、分からないと思います。
修理のやり方を知っていればできる修理を解説します。プロにおまかせした方が良い修理も解説していきます。
自分で修理できること
DIYが得意というレベルの人を想定して、できる範囲を決めているので。工具を使うのが苦手だと思う人は、最初から水道設備工事店に依頼するようにしてください。
床から上の見える範囲から水漏れしている場合は、修理に挑戦しても良いと思います。失敗しても、元々水漏れを起こしていたのだからと開き直ることができます。
見える範囲ならば、やり方を知っていて工具と部品さえあれば修理できる可能性が高いです。
排水のつまりも自分で修理に挑戦してから、水道設備工事店に依頼すれば良いです。やってみたら案外簡単に修理できることも多くあります。
プロに頼んだ方が良いこと
水漏れや排水のつまりの場所によっては最初から、水道設備工事店に依頼した方が良い場合があります。
- 家の床下や地面からの漏水
- トイレの便器の入れ替えや、流し台・洗面台・洗濯機パンの入れ替え
- 排水のつまりが複数箇所で発生している場合
値段が高くなるような工事は、クラシアンなどの水道修理業者ではなく、地元の水道設備工事店に依頼してください。
コンピューターが内蔵されているウォシュレットのような器具の中からの水漏れ(ウォシュレットに繋がる配管からの漏れは水道設備工事店に依頼する)やユニットバスの中の故障は、水道設備工事店ではなくTOTOやLIXILのようなメーカーに依頼するようにしましょう。
ウォシュレットならば上ふたの内側に、ユニットバスならば出入り口のユニットバス側の左上に修理を依頼する業者の名前と電番号のステッカーが貼ってあります。
ウォシュレットの場合は、耐久年数が10年前後なので古くなっている場合は、取り替えることを検討しましょう。
故障している場所を理解する
どこが故障の原因かを特定することは、プロの水道屋さんでも難しいです。自分が間違った場所を問題だと思い込んでしまい、間違った場所を修理してしまうこともあります。
自分で修理をするならば、ある程度時間をかけても良いのでどこが故障しているのかを見極めてください。
修理するところを見極める
水道修理で1番難しいのは、どこが悪くなっているのかを見極めることです。見てすぐに分かることもあれば、原因を突き止めるのに時間がかかることもあります。
見るだけでなく、音を聞いたり。お湯の配管だけ止めてみたり、1度濡れている所をキレイに拭いて漏れている所を探します。
漏れている場所だけでなく、原因がパイプの破損によるものなのか、パッキンの欠陥なのかを見極めます。継ぎ手部分の漏れならばパッキンかシールテープの不具合でパイプの途中から水が出ていればパイプからの水漏れです。
原因によって準備する工具や部品が変わって来るので、故障している所の見極めは大事な作業です。
水道管の故障箇所を見極める
水道管の水は基本的に上から下に流れてくるので、水で濡れている1番上の部分が水漏れ箇所である場合が多いです。メーターの手前の止水栓(元栓)で水道を止めて水気をしっかりふいてから、元栓を少し開けて水漏れしている場所を特定します。
じわっと漏れ出すところが分かったら、修理をするのですが、ナットが緩んで漏れている場合は、工具で締め付けると直ることもあります。
排水のつまり箇所を見極める
排水のつまりの場合は、上の方から外せる部品があれば外していって、つまりを起こしている場所がどこなのかを探します。部品を外して掃除しただけでつまりが解消することもあります。
特にトラップという部品でつまることが多いので、トラップを外して掃除をおこない元の場所にしっかり取り付ければつまりが直ることが多いです。
トラップより下がつまっている場合は、プロの水道設備工事店に依頼するようにしましょう。
修理をしてみる、どこで修理するのを止めるのかを理解する
自分で修理をするためには、経験が大事です。しかし、最初から水道修理の経験がある人などいません。修理できそうだと思えることならやってみましょう。
修理をやってみて、無理だと思ったら修理を止めてプロに依頼してください。自分ができなかったことを修理にきた人に聞いてみると親切な人ならば教えてくれます。
修理方法を理解すれば次に同じような修理をする時にできるようになっていると思います。
水道修理を止めるべき時
水道器具をある程度の力で回しても外れない、後ろの配管がサビている、グラグラしている、このような時には、元の状態に戻してプロに依頼するようにしましょう。
これらの状態で無理をして修理すると後ろの配管から壊れてしまい、修理費用が大きくなってしまうので修理を止めてください。
排水のつまり修理を止めるべき時
ラバーカップでのつまり修理、排水トラップまで外してもつまりが解消しない場合は、元の状態に戻してプロに依頼することをオススメします。
それ以上の修理はプロの人が行った方が良いです。ここまでやって無駄なことをしたと思うかもしれませんが、自分で修理したら簡単につまりが解消することが多いです。
今回はたまたま難しい修理だったと思って、水道設備工事店に依頼の電話をかける時も「自分でこれだけのことはやってみました」と言えば、工事をする人もそれ以外の原因だと分かるので助かります。
工具の準備
水道修理をする時に、必要になるものが工具です。水漏れや排水のつまりに最低限必要な工具を、解説します。
最低限必要な工具
何を修理するにしても、揃えておいた方が良い工具を紹介します。
- カッターナイフ
- ドライバー(プラス・マイナス両方)
- 懐中電灯
- モンキースパナ
これだけの工具は、家に準備しておくと良いです。水道修理だけでなく普段の生活でも、よく使う工具なので揃えておくことをオススメします。
モンキースパナという工具は、スパナの開く大きさを変えることができる工具です。これ一つで、束になったスパナセットの代わりになります。
水道修理に必要な工具
水道修理をするのならば揃えておいた方が良い工具があります。
- シールテープ
- ウォーターレンチプライヤー
- 大きさ違いのモンキースパナ
シールテープは、水道のネジの部分に巻きつけることによってネジの隙間を埋める道具です。ネジ部分に2回以上時計回り方向に巻き付けます。
ウォーターレンチプライヤーは、挟み込む幅を変えることができて握りこむことでパイプ等を回すことができる工具です。
モンキースパナをもう一本追加で必要なのは、ナットやパイプを回す時に反対のパイプが一緒に回ってしまう供回りを防ぐためです。
上からいくら回しても外れない状態が供回りなので、下の方が回らないようにもう一本のモンキースパナでおさえます。
排水修理に必要
排水修理をするならば揃えておいた方が良い工具。
- ラバーカップ
- バケツ・洗面器
- ゴム手袋
- 火バサミ
- ポリ袋
ラバーカップはトイレのつまり等でよく使う道具です。
それ以外のバケツ・洗面器・ゴム手袋・火バサミ・ポリ袋は、普段の生活で使う道具です。排水修理では、汚れを取り除くことが多いので普段使用しているような道具を使うことが多いです。
水道の基本構造
ここでは、簡単に水道設備の基本構造を解説しようと思います。
水圧が常にかかっている
水道管は常に水圧がかかっている状態です、使われている部品は頑丈で耐久性に優れています。家の外では衝撃にも強い塩ビパイプが床下では架橋ポリエチレン管を使うことが多いです。
床や壁から出てきたパイプに止水栓を取り付けてから、各設備へと繋がっています。この止水栓が付いていることで家全体の水を止めなくても設備の入れ替えができるようになっています。
止水栓で水を止めて修理をする時は、しっかり水が止まっているか先の蛇口等を実際に出してみて。しっかり止まっているのを確認してから修理するようにしましょう。
メーター
メーターは道路から宅地に引き込まれた場所の近くに設置されていることが多い、どれだけ水を使ったかの確認。少量の水漏れでも分かるようにできています。
水漏れがおきたときは最初にメーターを確認して、銀色のパイロットという部分が回っていないかを確認しましょう。少しの水漏れでも光の反射が変わって見えるので修理が終わった後にも水漏れが完全になくなったか確認してください。
止水栓
止水栓はメーターの手前に付いています。各設備についている止水栓でも取り替えはできるのですが。慣れないうちはメーターの手前についている止水栓でも水を止めるようにしましょう。
止水栓は普段は使われることがないので、固くて動かないことがあります。カナヅチでトントンと軽く叩きながら回すか、ドライヤーで温めてから回すと回しやすくなります。
ネジとシールテープ
パイプにネジと継手を接合すると、ネジにあるスキマを埋めないと水漏れをおこしてしまいます。シールテープはネジ部分のスキマを埋めるための材料です。
やわらかいテープのような材質で、強く引っ張ると簡単にちぎれます。使い方は左手にパイプを持って右手の親指にシールテープの輪っかの中に指を入れてください。
左手の親指でシールテープの端を押さえて、右手のシールテープを時計回りに巻き付けます。巻きつける強さはちぎれないくらいの強さで引っ張りながら巻きます。
巻きつける回数は3〜5回くらい巻き付けてください。ネジ同士のスキマによって巻きつける回数が変わります。ゆるいネジには、6回以上巻きつけ、かたいネジには2回巻き付ければ大丈夫な時もあります。
フクロナットとパッキン
継手どうしの接合の隙間を埋めるのにパッキンを使うパターンもあります。パッキンとはOの形でゴムや皮でできたスキマを埋めるための材料です。
フクロナットと呼ばれるナットでつなぐ時に使います。フクロナットはコの字形で内部にネジ山がついていて、パイプの先が広がっていて面が平らなパイプと一緒に使用します。
フクロナットがパイプの広がったところを押し付けてパッキンがスキマを埋めることによって水漏れを防ぎます。
フクロナットを使う利点は、水道設備の最後のつなぎが施工しやすい所です。ネジ部どうしをしめこむ方法だと狭い場所で取り付ける水道設備機器のつなぎが難しくなってしまいます。
フクロナットを使うことでパイプ自身を回さずに、フクロナットだけを回してつなぐことができます。使用するパイプもやわらかく曲げることができる材質のものを使うことが可能です。
デメリットとして、自由に動かすことができるために固定が難しいので。使う場所は、水道設備のつなぎの最後の3〜40センチのみになります。
フクロナットのネジ部分にシールテープを巻いても、水は止まりません。これは、パイプの平らな面同士を押し当てて水を止めているため。ネジ部分の隙間を止めるだけではフクロナットの後ろの部分から水が抜けてしまうからです。
Oリング
Oリング(オーリング)とは、パッキンの種類の一つです。差し込むパイプと受け口の継手があり、パイプか継手に輪っか型のパッキンがはめ込まれています。
パイプを継手に差し込んで抜け出ないようにすることで、Oリングが隙間を防ぎ水漏れを防ぎます。お互いの形がそろっていないと使えません。
パイプを差し込んだ後にフクロナットを回したり、クリップで止めるだけのものや、差し込むだけで簡単につなげる継手もあります。
Oリングに少しでもキズがつくと水漏れの原因になるので、キズがつかないように気をつけて施工してください。
水栓の取り替え
水道で使われる水栓(蛇口)と言ってもたくさんの種類があります。
水道やお湯の配管一つに一つの水栓をつける「単水栓」
「単水栓」には家の外で散水栓としてよく使われる「万能ホーム水栓」
事務所の給湯室などでよく使われる「自在水栓」
流し台や洗面台などに固定する「台付単水栓」
洗濯機で使用する「洗濯機用水栓」があります。
水とお湯の二つの配管を一つにして混合して出せる「混合水栓」
混合水栓には、「壁出し式」と「台付」があり、台付の場合は台に開いている穴の数により「ワンホール水栓」と「ツーホール水栓」に分けられます。
水栓を取り替える時は用途や取り付ける場所の形にあったものを選んで購入するようにしてください。
購入に関する注意点もそれぞれの水栓の交換の解説で書いていきたいと思います。
単水栓の交換
壁出し式単水栓の交換
単水栓とは、水またはお湯のどちらか一つだけを出すための水栓です。基本的な構造の壁出し式の「単水栓」の交換を解説します。
単水栓を取り付けを解説した記事があるので参考にしてください。
単水栓の取り付け方を解説している動画です。
代表的な壁出し式の「単水栓」には
- 万能ホーム水栓
- 自在水栓
- 洗濯機用水栓
基本的な取り替え方法は一緒です。
最初に水道の元栓を止めます。
水道が止まったことを水栓で水(お湯)を出して確認してください。元栓が故障していて完全に水が止まらない場合は取り替える配管より低い場所で水を出せる外水栓などで水を開けっぱなしにしてください。
元栓が壊れている場合は、水道設備工事店に依頼して修理してもらうようにしましょう。
前に付いていた「単水栓」を取り外します。古くなって外しにくい場合は、モンキースパナ等の工具で回す。カナヅチでたたいて振動をかけながら回す。ドライヤーで温めてから回す。工具でも回らない場合は持ち手の部分を長くする。
外れない場合は、水道設備工事店に修理を依頼してください。無理な力をかけすぎると配管や根本の部分が壊れてしまい、修理代が高くなってしまいます。
元々ついていた単水栓が外れたら、配管の中の汚れや残っている水をウエスで拭き取ります。配管の中の汚れは、「単水栓」を取り付けた後にゴミとして出てくるので、しっかりキレイにしてください。
壁に取り付けられている場合で、壁と配管の間に隙間があるのならばシリコンで隙間を埋めておくことをオススメします。
新しい単水栓のネジ部にシールテープを巻きます。配管の材質が鉄の場合はシールテープを4回巻き、真鍮製の場合は6回以上巻きます。
真鍮は金属の材質が鉄より柔らかく、特に真鍮製の持ち出しソケットという壁から出ている配管の長さを調整する継手のネジがゆるく作ってあるのでシールテープを厚めに巻いておかないと水漏れする可能性が高まります。
シールテープを巻き終わったら、3回以上回し手で回す所を適切な位置までねじ込んだらおしまいです。
失敗しないためのアドバイス。
単水栓を回し、ネジがこれ以上回らない所まできます。その位置がちょうど良い場所ではない場合は一度外して前につけたシールテープをはがし新しく巻いて付け直すことになります。
ネジが固くならない所で止まると軽く手でさわるだけで傾いてしまいます。
これらを防ぐためにシールテープを巻く前に仮に「単水栓」を取り付けて何回回したらネジが回らなくなるのか、ネジがゆるい位置で取り付けないといけない場合。
「単水栓」が適切な位置でできる壁との隙間より少し大きい給水座金というものを、シールテープを巻き終わった後につけると給水座金が挟み込まれた力でネジがしっかりと止まるようになります。
洗濯機用水栓には最初から座金という部品が付いているのですが壁から配管が飛び出している場合で元から付いている座金だけでは隙間があく場合は隙間より何ミリか大きい給水座金を入れてからねじ込みます。
床出し式単水栓の交換
床出し式の単水栓の解説をします。
床出し式単水栓は、手洗い器で使われることの多い単水栓の一種です。手洗い器に「床出し式単水栓」を固定するために座金とナットで固定するタイプのものが多いです。
手洗い器の奥でナットを締め付ける作業をするので、立水栓用L形レンチという特殊な工具を使います。
立水栓の固定が終わったら、壁から出ているアングル止水栓と「床出し式単水栓」をフレキシブルパイプでつなぎます。
フレキシブルパイプはベンリー管とも呼ばれ、簡単に曲げることができるので配管と設備機器とをつなぐ時によく使われるパイプです。
ホームセンターに長さ別に売っているので、適した長さのフレキシブルパイプを購入してください。フレキシブルパイプの長さが短いものと長いもので悩んだ場合は長いものを買うことをオススメします。
混合水栓の交換
混合水栓とは、水とお湯を混ぜ合わせてから出すことのできる水栓のことです。
混合水栓は水とお湯を出すための操作をする形により「ツーハンドル式」と「シングルレバー式」に別れています。
蛇口を引き出すことができる「引き出し機能」や水を出す形をシャワーと吐水に切り替えることができるもの、冬に水道管凍結の可能性が高い寒い地域では「寒冷地仕様」にする必要があるので、用途や好み地域に合わせて選んでください。
混合水栓(水湯を切り替えて出すための蛇口)には、たくさんの種類のものがあります。大きく取り付け方で分けると。
- ワンホール水栓
- ツーホール水栓
- 洗面化粧台用水栓
- 壁だし水栓
この他にも壁出し混合水栓の取り付け方をまとめた記事もあります。
水栓の先を伸ばしてシンクの角まで水で洗い流したい方はこちらの商品をお選びください。
ツーホール水栓の取り付け穴芯203ミリの商品はこちら。
ツーホール水栓の取り付け穴芯102ミリの商品はこちら。
洗面用のワンホール水栓です。
洗面用ツーホール水栓です。
大きく4つの種類に分けられます。
ワンホール水栓は流し台の天板に36ミリ程の丸い穴が空いている場所に取り付ける水栓のことです。一般的なシステムキッチンには、ワンホール水栓が多く使われています。
ツーホール水栓は流し台や洗面化粧台によく使われている水洗です。
水栓を取り付けるための穴が2つ開いています。穴の間隔が105ミリと205ミリのものがあるので間違わないようにして購入してください。
105ミリの水栓の場合は水栓本体の幅が160ミリ前後で、205ミリの水栓の場合は水栓本体の幅が260ミリ前後です。
洗面化粧台のツーホール水栓では、ハンドル部分と吐水口部分がわかれているものもあります。
洗面化粧台では、各メーカーから洗面化粧台のバックガードと呼ばれる部分に取り付けるタイプやミラーキャビネットから水栓が出ているように見えるタイプ等さまざまな形のものがあります。
水栓の形も洗面化粧台に合わせた作りのものでないと取り付けができません、特殊な形の水栓が故障した時に取り替えるのはプロの水道設備工事店に依頼しましょう。
ワンホール混合水栓の交換
動画で観たい方は上のYouTube動画をクリックしてください。ブログ記事でまとめたものが下記になります。
ワンホール混合水栓には水栓本体を固定するのにキッチンの天板の下からナットで固定するタイプと天板の上からだけで固定するタイプに分かれます。
天板の下から固定するタイプには、ナットを外すためにL字レンチかソケットレンチを使用して外します。
L字レンチとソケットレンチどちらを使うかは、ナットの形によって違います。
天板の上から固定するタイプは、上面施工タイプと呼ばれています。ワンホール水栓を固定するのに、キッチンの下に潜りこんで上を見ながら固定しなくて良いので固定しやすいです。
上面施工タイプは、ワンホール水栓の固定にプラスドライバーとモンキースパナだけで取り付けられるので必要な工具も少なくてすみます。
ワンホール混合水栓の交換で1番難しいのは、古いワンホール水栓の取り外しです。取り外すためのネジ部分にサビや汚れがつまっていたり、ネジやビスの形が変形して工具で回すことができなかったりします。
ネジやビスが変形して外れない場合は、金属を切断する工具で水栓本体を切り取りながら取り外すことになるので、取り外そうと思ってできない場合は、プロの水道設備工事店に依頼してください。
壁出し混合水栓の交換
壁出し混合水栓を自分で取り替える前に事前に自分で交換できるかを確認しておいてください。注意するポイントは。
- 水栓の根元に赤黒いあとが付いていないか。
- 水栓の根元を触った時にグラグラしないか。
- 外そうとした時に後ろの配管も一緒に回っているような感じがしないか。
このような時には、壁の中の配管がサビによる腐食や、配管の固定がしっかりされていないので混合水栓を外した時に壁の中の配管が壊れてしまうことがあります、このような場合は水道設備工事店に依頼してください。
壁出し混合水栓の取り付け方をまとめた記事もあります。
壁だし混合水栓購入時には、ダンボールの中に部品がバラバラに入っています。各パーツが間違いなく入っているか確認して起きましょう。
- クランプ
- 水栓本体
- 吐水口
- 給水座金
基本的な付け方は、クランプに給水座金を取り付けます。クランプのネジ部分にシールテープを巻きつけておいて。
止水栓で水を止めたら、水とお湯を出して。しっかりと水とお湯が止まっていることを確認します。古い混合水栓を外します。
混合水栓の外し方は水栓本体の後ろのフクロナットを取り外し、クランプにスパナをかけて外すのですが。次の場合には、自分で取り付けるのを諦めてプロの水道屋さんに依頼しましょう。
- 力をこめて回してもクランプが外れない
- クランプを触るとグラグラしている
- 壁の中からサビが出ている
ある程度の力をこめてクランプが外れない場合、それ以上無理な力を加えると壁の中の配管が傷んでしまうおそれがあります。
クランプを触ってみてグラグラしている場合、壁の中の配管がしっかりと固定されていないか。クランプを外す力に耐えられない可能性があるのでグラグラしている場合はプロに任せるようにしましょう。
壁の中からサビが出ている場合は根本の水道管が腐食している可能性が高く、壁の中の配管が壊れてしまう可能性があります。
また、配管が壊れなくてもサビによる腐食は進行していくので、サビている部分を交換しておいた方が後から安心できるでしょう。
クランプが外れない時の対処法として、古いクランプをそのままにして水栓本体を取り付けるという方法があります。
この方法は、古い水栓本体と新しい水栓本体のフクロナットの取り付け幅が同じで、同じネジの形をしている場合に限ります。
フクロナットの幅がメーカーによって違う場合があります。
フクロナットのネジの形もインチネジとミリネジという種類があって、インチネジの方がネジ幅が大きいです。違う種類のネジを無理矢理つけるとネジ山が壊れて使えなくなってしまうので無理につけようとしないでください。
クランプが無事に外れたら新しいクランプを取り付けます。クランプを回す時には4回転で止めておいてください。一般的に5回転を超えるとクランプが回らなくなるので、4回転であとは調整するようにします。
クランプは、取り付けに適した位置よりも手前で回すのを止めておきます。これは、水栓本体を取り付けながら調整するためです。
水、お湯両方のクランプを取り付けたら、片方のクランプのフクロナットにだけ水栓本体を取り付けてクランプを回転させながらクランプの位置を調整します。(フクロナットの取り付けの前にパッキンを入れておくのを忘れないように)
斜めでも良いので両方のクランプのフクロナットに仮締めしてクランプの後ろに水平器を置いて水平を整えながらクランプの位置を調整します。
この時にクランプを締める方向にだけ回すようにしてください。ゆるむ方向に回してしまうと、水漏れの原因になります。
水平があったら、仮締めしていたフクロナットをモンキースパナを使ってしっかりと締めて固定してください。
吐水口部分のフクロナットとパッキンがある部分を水栓本体に入れ込んでフクロナットを手で締め込んでモンキースパナで半回転から一回転増し締めして取り付けます。
全ての作業が終わったら止水栓を開けます。くどいようですが本当に全てのネジがしまっているかもう一度確認してみてください。
水道工事では、確認作業が大事なので、どこか別な場所の水道を出しっぱなしにしていないか等も確認しておきましょう。
止水栓を開ける時は、できれば二人で作業して一人は止水栓を開けて。もう一人は修理した水栓の近くにいるようにしましょう。お互いの声が聞こえるように窓を開けるか、スマホで通話しながら止水栓を開けてください。
修理したところに異常があった場合は、すぐに止水栓を閉めて異常があった場所を手直しします。
一人で止水栓を開ける場合は、少量だけ水を出してすぐに修理した所を確認してください。異常がある場合は手直ししましょう。
修理した所に異常がなかったら、水道メーターのパイロットと呼ばれる銀色のコマを確認して水漏れがないかを確認します。
メーターで確認したら水栓で実際に水とお湯を出してみて問題がないかを確認します。この時に給水座金というクランプに付いている配管の穴をかくす部品を手前にして取り付けたネジの部分が水漏れしていないか確認します。
フクロナットの部分も一度ウエスかタオルで水気を拭き取り水漏れをおこしていないか確認します。
1時間程ようすを見て、問題がないのを確認しておきましょう。確認が終わったら給水座金を壁につくまで回して壁だし混合水栓の取り付け完了です。
排水の基本構造
排水の基本構造について解説します。屋外や床下はプロでないと扱わない方が良いので、屋内の排水設備のみの解説になります。
トラップが付いている
トイレ、流し台、洗面台、洗濯機排水、お風呂の排水には基本的にトラップという部分があります。水洗トイレにたまっている水の部分がトラップです。
流し台、洗面台、洗濯機排水、お風呂場にも同様にトラップという水がたまる部分がついています。トラップは下水道のニオイや虫を防ぐ役割があり、もしもトラップに水がなくなると、くさいニオイや虫が発生してしまいます。
20年以内の家ならば排水口のすぐ下にトラップ部分が設けられていて、排水のつまりの多くはこのトラップ部分で発生しています。
なぜトラップ部分で、つまりが発生しやすいかというと。常に水がたまるようにトラップの形は大きく曲がったようにできていて。水と一緒に汚れや固形物がたまりやすいので、つまりの原因になることが多いです。
トラップの種類は洗面所に多く使われる「S字トラップ」。流し台に多く使われる「わんトラップ(ベルトラップ)」。洗濯機パンやユニットバスに多く使われる「ドラムトラップ」。
トイレのように器具の中に内蔵されている「器具内蔵トラップ」があります。
20年以上前の家では、家の外にトラップがついている場合もあり。塩ビ管で作られた「ビニマストラップ」とコンクリートマスの中にトラップをつける「コンクリートますトラップ」があります。
ビニマストラップの場合は家の中の設備についているトラップとスキマなく配管でつないでしまうと、ダブルトラップという状態になります。水の流れが悪くなるので、パイプの間で空気が入るようにつなぐようにしましょう。
外にコンクリートのますがある場合は、ますの中が汚れや目皿の部分が錆びることによって、つまることがあるので半年に一回で良いので定期的に掃除をするようにしてください。
コンクリートマスの中が継手のような形で水が流れるようになっている場合は、インバートますと言って昔の掃除ができる継手なので何か異常がある時以外は開ける必要はありません。
上流から下流に向かい管径は大きく
排水に流れていった水は自然流下方式といって、高い所から低い所に流れるように配管します。途中で勾配が逆になると、その部分で水や汚物がたまり何年もたった後につまることがあります。
このブログ記事では、見える範囲だけの修理しかオススメしていません。勾配を考えなくてはいけないような排水配管をすることはないでしょうが、排水の基本なので覚えておいてください。
また、排水の管は流れる途中で小さくならないように、下流に向かって大きくなるように配管します。小さくなると汚物がたまって、つまる原因になってしまいます。
接着剤かパッキンで接合
排水のつなぎはパイプと継手を接着剤でつなぐか、水道と同じでパッキンをフクロナットでおさえこんで接合します。三角パッキンというパッキンで接合することもあります。
三角パッキンの使い方はパイプに三角パッキンを装着して継手部分とフクロナットでしめこんで使います。
つまりの原因
つまりの原因で多いのは次の6つです。
- トラップでのつまり
- トイレットペーパーを大量に流してしまった
- 固形物を落としてしまった
- 逆勾配によるつまり
- 管径が途中で小さくなっていることによるつまり
- 油を大量に流したことによるつまり
トラップでのつまり、トイレットペーパー、固形物を落としたことによるつまりは、DIYの知識や工具がある人ならば修理することができるかもしれません。
逆勾配、管径が途中で小さくなっている、長い間に大量の油を流したことによるつまりは床下や地面の下にある配管から修理しないといけないので水道設備工事店に依頼するようにしましょう。
つまり通しの基本
つまり通しの基本的な考え方なのですが、つまっているものは押し込むのではなく引っ張って取るのが基本です。つまっている所にグイグイと押し込むと、さらにつまりがひどくなります。
トイレのつまりを修理するラバーカップも押し込むのではなく、ゆっくり押し込んで引っ張る時につまっているものを引き出す感じで使います。
つまっているのが見える時でも、無理に押し込もうとせずに菜箸などでつまんで引っ張り上げてつまりを修理してください。
つまりを通したあとは、キレイな水を流してスムーズに流れるか。修理で触った場所から漏れ等がないか確認してみてください。
排水のつまり自分で修理
排水のつまりを水道設備工事店に依頼する前に、自分でできることをやってみるという気持ちが大事です。
排水のつまりの修理に行って、お風呂場の排水のフタを開けたら子供用のガーゼが入っていて、引っ張って取っただけで終わった修理もあります。
自分のできる範囲で修理してみるだけで修理代を節約できるのならば、やってみる価値があると思います。
ラバーカップを使ったり、排水の部品を分かる範囲ではずしていくと、排水をつまらせていた原因が汚れがたまったことによるもので掃除をするだけでつまりが解消することもあります。
つまりで1番多いのがトラップでのつまりです。固形物を落としてもトラップの中に残っていることが多いです。
洗面所のトラップはフクロナットを緩めると外せるようになっているので、つまっている場合は外してみましょう。
をの場合はトラップの下にバケツか洗面器をおいてください。
トラップの中に残っている水が出てくるので中の水をバケツか洗面器に出してください。トラップを外にある洗い場などでキレイに洗って元通り取り付けます。
トラップが取り付けて10年以上たっている場合はパッキンが古くなっているのでパッキンを取り替えることをオススメします。
逆勾配によるつまりや管径が小さくなっていることによるつまりは水道設備工事店に依頼して修理するようにしてください。
油を大量に流したことによるつまりも水道設備工事店に依頼してください。油つまりは配管の中にびっしりとつまっているので途中の管を切断して油汚れを書き出すようにして修理します。
高圧洗浄などで押し込むようにつまりを修理しようとすると、さらにつまらせることがあるためです。
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